新・特集シリーズ第1号<前編> 「人間らしく働きたい」 ―Amazonドライバー(フリーランスの軽貨物自動車運送事業者)の声
2024年5月20日

特集公開日:2024年5月20日 by Wor-Q MAGAZINE 編集部
「人間らしく働きたい」 ――Amazonドライバー(フリーランスの軽貨物自動車運送事業者)の声
自身もフリーランスとして働いているWor-Q編集長の旦悠輔が、さまざまな業界のフリーランス当事者と対話をしながら、フリーランスの未来の「あるべき姿」を皆さんと一緒に考えていく新特集シリーズ「フリミラ!」(「フリミラ!」が目指すところは、ぜひ「第0号」をお読みください)。
記念すべき第1号では、今、報道等でも注目されているAmazonドライバーに代表される「フリーランスの軽貨物自動車運送事業者の仕事</strong>について、その未来を描いていくことにチャレンジします。
2024年3月2日、Yahoo!トピックスに「アマゾン配達員がスト通告 長崎市」というニュースが掲載されました(共同通信)。
共同通信|アマゾン配達員がスト通告 長崎市で、契約打ち切りに抗議(2024/3/2)
※ストは潰されてしまったので、取材後の状況もお伝えしていきます。
アマゾンジャパンの配送は、最終配送先である個宅等への配送の多くを、フリーランス(個人事業主)の配達員(=Amazonドライバー)が担っていると言われています。いま、アマゾンジャパンの配送の現場では、いったい何が起きているのでしょうか。
Wor-Qでは、いままでも、 「フリーランスの軽貨物自動車運送事業者」の皆さんが抱えている課題についてヒアリングやディスカッションを行い、その解決に向けた支援の動きを進めてきました。
Wor-Q REPORT vol.2「「AIから指示された大量の荷物に追われ、休憩もできない」配達ドライバーホットラインに寄せられた声」
第1回:2022年6月実施
第2回:2022年9月実施
フリーランスサミット2023地域版【北海道】 2023年9月16日(日)開催
セッション1『Amazon配達員労働組合の未来を考える!活動をより効果的なものするためには!?ー仲間を増やす仕組みや交渉のありかた、Amzonサービスの構造悪について解き明かします』
https://www.youtube.com/watch?v=aNZmPMYE7cY
ここで見えてきたのは、Amazonドライバーとして働くフリーランスが、「フリーランスでありながら、仕事の自由度はまったくなく、AIによって次から次に配送指示が来るような過酷な働きかたを強いられている」ということ、そして、「どれだけ大量の荷物を大変な思いをして運ぼうが、日当は定額制で、しかも、必要な経費(ガソリン代)等を考えると、報酬の水準は非常に低いものと言わざるを得ない」ということでした。
このような状況はどうしたら変えていくことができるのでしょうか? Wor-Qでは、まずは「あるべき未来」(=こうなったら、きっと、当事者にとっても、社会全体にとってもきっといいよね、というゴールイメージ)を描いて、社会全体の共通認識として広げていくことが重要であると考えます。「変えよう!」という動きが社会全体の大きな<うねり>となった時、フリーランスの働きかたは<あるべき姿>へと一気に変わっていくはずです。
2024年3月2日にYahoo!トピックスに掲載された「アマゾン配達員がスト通告 長崎市で、契約打ち切りに抗議」という共同通信のニュースに付けられたコメントも、「共感した」が多くついたコメントを見ると、フリーランスの配達員として働く人達の大変な状況を思いやるコメントよりも、「フリーランスの配達員として働く人達の素性がわからないから怖い」「フリーランスの配達員として働く人達の仕事の質がひどい」といったコメントの方に、多くの「共感」が集まっている状況が見られました。なぜ、このような社会認識が広がってしまっているのでしょうか。
「フリーランスの配達員として働く人達」が、実際、どのような動機や経緯で現在の仕事を選んだのか、そして、どのようなことを感じながら仕事をしているのか、直接、話を聞いたことがある人がどれくらいいるでしょうか。また、もしも、「フリーランスの配達員として働く人達」の仕事の質が低いものになってしまっていると仮定して、それが、働いている人たちのせいではなく、あまりにも過酷な労働環境のせいで、やむを得ずそのような形で仕事をせざるを得ない状況にあるのだとしたら、どうでしょうか。
Wor-Qではその点に注目し、本特集において、「そもそも、フリーランスで(Amazonドライバー等の)軽貨物自動車運送の仕事をしている方たちは、どのような動機や経緯で仕事を始めて、どのようなことを感じながら仕事をしているのか」を掘り下げていくことからスタートし、そのうえで、 「個人事業主(フリーランス)の軽貨物自動車運送事業者」の<あるべき働きかたの未来>ってどんなものだろう?ということを考えていくこととしました。
対談相手は、長崎で個人事業主(フリーランス)として軽貨物自動車運送業を営む大瀧孝洋さんです。大瀧さんは、さまざまな仕事をしている中で、Amazonドライバーの仕事もされています。そして、Amazonドライバーの仕事を続ける中で、その労働環境の厳しさに問題を感じるようになりました。そこで、現状を変え、待遇改善を実現すべく、「東京ユニオン・アマゾン配達員組合長崎支部」の支部長となり、発言や運動を積極的に行ってこられました。大瀧さんが、組合の支部長となってAmazonドライバーの待遇改善のために動き出すまでの物語は、たくさんの新聞記事となりました。
朝日新聞|声上げるアマゾン配達員 「実態は労働者、待遇改善を」長崎にも労組(2022/9/6)※有料記事
長崎新聞|“労組結成” 長崎のアマゾン配達員の訴え 業務増も変わらぬ賃金、経費自己負担…(2022/9/16)
毎日新聞|坂の街・長崎に「アマゾン労組支部」 「請負配達員も労働者」(2022/10/14)※有料記事
西日本新聞|アマゾン配達員が長崎で労組結成 急坂、階段…「待遇改善を」 (2022/11/1)※有料記事
朝日新聞|「もうギブアップ」 増える荷物、増えぬ日当 アマゾン配達員の現実(2023/9/4)※有料記事
朝日新聞|アマゾン配達員33人がボイコット、配送遅れる 報奨金未払いに不満(2023/9/29)※有料記事
長崎新聞|長崎・アマゾン荷物配達員 追加手当が支払われず 1次下請けに原因と組合が指摘(2023/9/30)
本特集では、大瀧さんにお話をうかがいながら、まず<前編>で、Amazonドライバーの仕事がいったいどういったものであるのかについて掘り下げてお話をうかがい、未来を考えていくための土台としていきます。<後編>では、その土台をもとに、Amazonドライバーの仕事が<こういう働きかたになっていったらいいよね>という未来像を考えていきたいと思います。
<前編>「人間らしく働きたい」 ――Amazonドライバー(フリーランスの軽貨物自動車運送事業者)の声
ーーー大瀧さん、本日は宜しくお願いいたします。本日は、Amazonドライバーの働きかたの<あるべき未来>を考えていくにあたり、 まずは、「Amazonドライバーの仕事がどういった仕事であるのか」についてしっかりと伺わせていただきたいと思っています。 Amazonドライバーの働きかたを、<あるべき未来>に向かって大きく変えていくためには、 Amazonドライバーでない方にも、その仕事の内容をしっかりと理解していただく必要があると考えるからです。はじめに、大瀧さんは、いつごろから、どのような経緯や動機でAmazonドライバーのお仕事を始められたのか、教えていただけますか。

Wor-Q編集長・旦悠輔
約3年前から、アマゾンジャパンの仕事をしています。もともと、20年以上前から、父から受け継いだ赤帽の仕事をしていたんです。加えて、冬場や夏場は、ヤマト運輸さんの仕事とかも手伝っていたりしていました。なので、運送の仕事の経験はあったんです。その後、独立を機に他の仕事も立ち上げて、いろいろな仕事をしてきたのですが、約3年前から、アマゾンジャパンの仕事も始めたんです。その当時にいろいろやっていた仕事と並行してできるかな、と思ったので。2年前から大手トイレメーカーさん・大手キッチンメーカーさんの修理の仕事も始めましたんで、Amazonドライバーの仕事と修理の仕事と半々で、月に15日と15日、あわせて月30日、ほぼ休みなく働いている感じです。

Amazonドライバー・大瀧さん
ーーーもともと運送の仕事をされていて、しかも、運送以外の仕事もしておられたのですね。そのうえで、アマゾンジャパンさんの仕事も始められた、と。なぜ、アマゾンジャパンさんの仕事もしてみよう、と思われたんでしょうか。
長崎はもともと仕事が少なくて。その点、Amazonは知名度もありましたし、これから先、仕事がなくなることもないだろう、ということで、Amazonドライバーもやってみることにしました。私がAmazonドライバーを始めた当時は(=約3年前の時点では)、1日100個の荷物を運んだら1日1万4千5百円の日当をもらえていました。1日100個くらいであれば、体力的にも余裕ある形でできる仕事量なんです。その仕事量で、長崎で1日1万4千5百円稼げる仕事はなかなかないので、これはいい仕事だな、と思ったんです。その頃は、 「Amazonドライバーをやりたい」という人もどんどん(他の仕事から)流れてきていましたね。
ーーー始められた当初は、条件的にも悪くない仕事だと思えていたわけですね。
そうですね。ところが、Amazonドライバーの仕事を始めた次の年、今から2年前に、1日に配送しなければならない荷物の数が急激に増え始めたんです。もともと1日100個くらいだったものが、1日150-200個運ばなければならないようになってしまったんです。それなのに、報酬は変わらなくて。それっておかしいよね、と思ったんです。当時、(Amazonの配送業務から)ヤマト運輸さんも佐川急便さんも撤退して、そのぶんの荷物が(フリーランスのAmazonドライバーに)流れてきていたんでしょうね。それで、なんとかしたいと思っていた時に、一昨年(2022年)に横浜で組合が立ち上がったことを知って、弁護士さんに連絡をして。組合の長崎支部長になったんです。
ーーー仕事量が1.5倍から2倍になっても報酬は変わらない、というのはキツイですね。そんな過酷なAmazonドライバーの仕事において、<やりがい>みたいなものはあるのでしょうか。お客様から感謝の声を聞けて嬉しい、といったような・・・。
正直、ないですね・・・。多い日は一日200個運ばなければならない、みたいな状況なので、正直、一日一日精一杯です。一日が無事に終わればOK、という感じですかね・・・。そもそも、ほとんどの配送が「玄関置き」なので、お客様と対面で話すということもほとんどないんですよ。とにかくひたすら荷物を運び続ける、という感じなんです。ヤマト運輸さんや佐川急便さんの場合、対面で、手渡しで、ハン取り(=受け取りの捺印・サイン取り)もあったりするんですけど、Amazonドライバーの場合はそういうのもないですからね。「玄関置き」だと、仕事としてはやりやすいんですけどね。正直、さびしいですね。
ーーーAmazonドライバーの業務は、とにかく<効率性>第一で設計されているのですね。そうして、人間と人間の対面の接触も少なく、ただひたすらAIの指示を受けて次から次に指定された場所に荷物を運び続けるというのは、人間味がなくて、仕事としてはしんどいですね。
そうですね、人間味はないですね・・・。コンピューター(AI)がなにもかも決めて指示してくるんですよ。それも、めちゃくちゃな範囲で指示が飛んできたりするんです。ヤマト運輸さんや佐川急便さんのように担当配送エリアが決まっていて、というんじゃないので。とんでもない場所への配送の指示が飛んできたりもするんですよ。頑張って速く荷物を運んだとしても、頑張れば頑張るほど、「まだできるだろう」ということで、AIがどんどん仕事を増やしてくるんです。なかなか残酷です。
ーーー容赦がないですね。Amazonドライバーの仕事をするために必要な技能としては、どのようなことが求められるのでしょうか。
運転技術はもちろん必要ですけど、正直言って、特別な技能って、必要ないんですよ。すべてはコンピューター(AI)からアプリを通じて指示されるので、それに従って動くだけですから。Amazonドライバーの仕事が初めての人でも、2~3時間研修受けたら、さっそく業務スタートですからね。 「間違い(誤配)がないように」、指示をしっかり見て、指示通り動く。強いて言うなら、それができるかどうかだけなんですよ。
ーーーということは、経験を重ねることで技能が高まるとか、それによって、経験者がベテランとして尊重される、みたいなことはあまりないんですね。
まったくないですね。「来る者拒まず、去る者追わず」という感じですよ。入れ替わりも激しいです。始めてから一週間で「もう続けられない」と言って辞めていく人もいますしね。とにかくドライですよ。要は、人数頭だけ揃えばいい、っていう感じなんでしょうね。
ーーーそれは、非・人間的な感じがしますね。長く働いてくれた人を尊重しなきゃ、みたいなこともないんですね。ちなみに、大瀧さんは、雇用労働者として雇われて働くのではなく、フリーランスとしてAmazonドライバーの仕事をされているわけですが、「フリーランスだからこその自分の技能、フリーランスだからこその柔軟な動きで、雇われて働いている人には提供できないような価値を提供できているんだ」というようなことはあるんでしょうか?
それは、正直、ないですね。雇用されていようが、フリーランスとして働いていようが、同じ仕事ですからね。今は、フリーランスとして働いていますが、いつ「切られる」か心配ですよ。実際、「切られる」って話も出てきているので・・・。怖いですね。
ーーーこれだけ、雇用労働者のように終日拘束されて、指示に基づいて(休む余裕もなく)次から次に働かなくてはならないような労働環境で、それでいて、「長く働いているから尊重されるということもなく」「いつ切られるかわからない」ということでは、Amazonドライバーの仕事を「やりたい」と思う人がいなくなってしまうような気もするんですが、これ、もしも、 Amazonドライバーの仕事を誰も「やりたい」と思わなくなってしまったとしたら、どうなってしまうんでしょうね?
どうなるんでしょうね。わからないですけど・・・。いずれかは、誰かが、もしくは、どこかの運送会社がやることになるんでしょうけど・・・、しかし、実際のところ、現実問題として、現状でも既に、運送業ができる人間の数が足りてないので・・・。用意しなきゃいけない「設定台数」は毎日決まってるんですけど、足りてないんですよ、今でさえ。管理の人間まで(配送に)出なきゃいけなくなってるような状況なので・・・。今後(Amazonドライバーの仕事を)できる人間がいなくなる、ということは考えられますよね。ほんとに、足りてないんです。
ーーー現状ですら、やりたい人、やれる人がたくさんいる、という状況ではないわけですものね。それなのに、働くひとが大切にされているわけでもなく、労働環境は非常に過酷である、と。これ、このままいって、人手が足りなくなってしまったら、物流が止まっちゃうわけですよね。それは大変なことですよね。
はい、大変なことだと思います。だからこそ、アマゾンさんには、もうちょっと「地域性」を考えてほしいですよね。関東(首都圏)だったら、車を止めたら目の前がマンションでボックスに入れたら終わり、というようなところが多いんでしょうけど、長崎は、車止めてから階段を200段のぼらないと届けられない、みたいな配送先も多い「坂が多い地域」なので、そこらへんは考慮した上でやってくれないと、地域の運送業が成り立たなくなってしまいます。せめて、全国水準と同じ報酬にしてほしいです。もしくは、ヤマト運輸さんや佐川急便さんのように、「荷物1個あたりいくら」というような仕組みにしてほしいです。
東京では、今、Amazonドライバーの日当が1日1万7千円~1万8千円と言われてるんです。運ばなければならない荷物の個数は変わらないのに、そしてさらに、地域性もあって運ぶのが大変なのに、日当の金額は東京より低い。それはおかしいですよ。長崎は、全国的に見て給与水準(賃金水準)が低い地域なんです。だからといって、仕事の内容の「地域性」を考えず、「長崎は給与水準(賃金水準)が低いから、配送の日当も低くていいだろう」というような考え方はおかしいと思う。
ーーー「エッセンシャルワーカー」という言葉もありますが、運送の仕事は、地域の経済・暮らしを維持するために必要不可欠なインフラですものね。物流が止まったら死活問題ですから、運送の仕事は非常に重要な仕事ですよね。
そうですね。運送する人間は、地域になくてはならない存在だと思っています。昔の通販と比べて、アマゾンの通販は「モノ」が違うんです。運ぶ「モノ」が。飲料水とかがメインなんですよ。昔はそんなの考えられなかった。今では、ペットボトル500ml24本入りを2ケース・3ケースとかザラです。ジュースとかも多いですよ。長崎ですから、坂の上まで階段のぼって水を運んだり、みたいなことが、とても多いわけです。
ーーーまさにインフラですね・・・。運送業自体がライフラインを支えるインフラであるわけですけど、運んでる「モノ」も、飲料水などの「生きるために必要な物」がメインになってきている、ということは、二重の意味で必要不可欠なお仕事であると言えますね。まさにライフ・インフラ、生命線なんですね、ドライバーさんの仕事は。夏場に坂の上に住んでらっしゃる高齢の方が水飲めなくなっちゃったら命に関わりますものね。
本当にそう思います。ですけど、本当に体力的にはハードな仕事なので・・・。坂の上まで重たい水のケースを運ぶなんて、年齢的に、いつまでできるんだろう・・・と思ったりもしますよね。体を壊すんじゃないか、っていう心配もありますしね。
ーーーそれは不安ですよね。だとするなら、そうした不安もカバーできるレベルの報酬が必要ですよね。
まさにそうです。
ーーーゆくゆくは、自動運転であるですとか、ドローンですとかで、人間を介さずに機械が自動的に坂の上まで荷物を運んでいくような時代が来るのかもしれない、と言われるようなこともありますが、そうしたことに不安はありますか。
どうでしょうか、実際に運送の仕事をしていると、そんなに簡単にはそんなことできないだろう、と思ったりもしますけどね(笑)。それに、やっぱり、人間が運ぶからこその良さ、というのもありますよね。やっぱり玄関で対面で受け取りたい、というお客様もいるし。顔を合わせれば、「ここまで持ってきてくれてありがとう」なんて言われることもありますし。長崎の人は、人もいいんでね。それが、全部、機械が運んでくる、みたいなことになったら、人間味がなくなっちゃいますよね。受け取るほうも、おもしろくないと思いますよ。それに、飲料水とかが、機械が持ってきて玄関前にドカンと置かれてたら、ちょっと嫌だなあっていう人もいるんじゃないかなあ。
ーーーやっぱり、顔と名前が明らかな人間が運んでくれるから安心、ということもありますよね。安心なだけじゃなくて、人間と人間が交流するからこその人間味というか、喜びが、お互いにありますよね。運ぶ側にとっても、受け取る側にとっても。
そうですね。今でもですね、Amazonドライバーの場合、あんまり、お客様から名前で呼ばれることってないんですよ。「玄関置き」がほとんどですしね。対面するにしても、ハン取りもないので、5秒で終わりなんですよ。渡して、おしまい。トイレやキッチンの修理の仕事とかでお宅にお邪魔しますとね、感謝されてね、野菜もっていかんね、アイスもっていかんね、みたいなこともありますけど、Amazonドライバーの場合、そういうのはないですよね。とにかく時間との戦いですから。昼飯もまともに食べられないですから。
ーーーお金(報酬の水準)の面でも厳しいうえに、気持ちの面でもしんどいといいますか、喜びが感じにくいとなりますと、それはさびしいですね。
はい。人間らしくない働きかたです。人間らしく働きたいです。
ーーー貴重なお話をお聞かせくださり本当にありがとうございました。Amazonドライバーの仕事が、地域に欠かせないライフインフラとしての仕事になっていることがとてもよくわかりましたし、人間らしさがどんどん失われてしまっている実情もとてもよくわかりました。引き続き、「では、どういう働きかたに変わったら理想なのか?」について、具体的なイメージを一緒に話し合っていけたらと思います。
(了)
編集長より
「<前編>「人間らしく働きたい」 ―――Amazonドライバー(フリーランスの軽貨物自動車運送事業者)の声」では、Amazonドライバーの仕事が、報酬面で厳しいものとなっているうえに、とにかく効率性が徹底的に重視される中で「人間らしさ」が失われていっている状況が浮かびあがってきました。「<後編>「働くひとにとっても、生活者・地域にとっても、事業者にとっても喜ばしい」、<三方よし>の<フリーランスの軽貨物自動車運送事業者の働きかた>とは」では、 Amazonドライバーの仕事がどのような<働きかた>へと変わっていけば、働くひとにとっても、社会全体にとっても良い形になっていくのか、について徹底的に考えていきます。
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