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「私たちがめざすこと」

1.フリーランスってどんな働きかた?

フリーランスとは、特定の会社に雇用されて働くのではなく、個人で仕事を請け負う働き方をいいます。2023年4月に成立した「フリーランス保護法」では「業務委託の相手方である事業主であって従業員を使用しない個人および法人代表者」と定義されています。

従業員を雇っていない自営業主や一人社長で、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る人といえばわかりやすいでしょうか。

 


日本で働く人およそ6500万人。ある民間企業の調査では、うち約1,577万人※ (約4人に1人)が、副業・兼業を含む広義のフリーランスとして働くひと(業務委託、請負等)とされています。急速な広がりの背景には、就業形態の多様化、IT 化の進展、プラットフォームエコノミー(フードデリバリー、クラウドソーシング等)の台頭が挙げられます。内閣府の調査(2020年)では462万人と試算されています。

※【ランサーズ】新・フリーランス実態調査2021-2022年版」

 

 

2.どんな課題があるの?

(1)金銭面での苦しい環境

連合が行った「フリーランス調査2023」によると、フリーランスとして働く人の55.9%が週30時間働いているにも関わらず、60%以上の方フリーランスとして得ている年収が300万円未満と、金銭面で非常に苦しい環境にある方が多いことが分かりました。

また、働き方の満足度を聞いたところ、半数以上の方が働き方自体に満足しているものの、収入については数字が逆転して満足していない人が47%にのぼりました。

 


 

(2)半数がトラブルやハラスメント被害の経験

連合の「フリーランス調査2023」で、フリーランスで働く方の仕事の実態・意識について聞いたところ、46.1%の方が「トラブルを経験したことがある」と答え、経験したトラブルTOP3は「不当に低い報酬額の決定」「一方的な仕事の取り消し」「報酬の支払い遅延」となりました。

また、ハラスメント経験について聞いたところ、31.1%の方が「ハラスメントを受けたことがある」と回答し、「契約で定めた範囲を超えた無理・無茶な要求」が最多となり、トラブル経験とあわせ、発注者に対して弱い立場にあるケースが非常に多いということが読み取れました。

 

 

(3)横行する口約束

不安定で弱い立場にあるフリーランスが安心して仕事をしていくために最も重要なツールが、「契約」です。契約をしっかりと取り交わすことで、「どこまでの範囲の仕事をすることに対して」「どのような報酬を、いつ、どうやって受け取ることができるのか」といった重要な事項について明確にすることができます。なおかつ、契約には拘束性がありますから、契約で定めたことを先方が守ってくれなかった場合には、契約を根拠にして、しかるべき法的手続をスムーズに進めることができるようになります。

連合の「フリーランス調査2023」で契約について聞いたところ、36%の人が「契約書を締結したことがない」と答え、56%の方が「口約束で業務内容について合意している」と回答した一方で、64.1%の方が「書面で契約を締結した方がいい」と回答しました。つまり多くの方が書面で契約書を締結した方がいいと分かっていても、実際には何らかの理由でしていないという実態が明らかになりました。

契約書が締結されず口約束が横行していることで、弱い立場のフリーランスの報酬や待遇が約束通り履行されない要因の一つとなっているのは明らかです。

理解・納得しないまま契約書を締結したことがある方にその理由を聞いたところ、「合意しないと次の仕事をもらえないから」「発注者から一方的に押し付けられた」など、ここでも発注者に対するフリーランスの弱い立場が浮き彫りになりました。

 


 

 

(4)セーフティネットが脆弱

フリーランスは自分で働く場所や時間、一緒に働く人などを自由に選ぶことができます。そんな「自由な働き方」である一方で、労働基準法でいう「労働者」として認められないため、労働法の保護を受けることができません。

それは、フリーランスは事業主として複数の発注者に対して高度な専門性を発揮することで、発注者と対等な立場で交渉できる働き方だと考えられてきたためです。労働者として認められると、下記の表のような法律上の保護を受けることができます。

 

 

(5)実態は労働者なのにフリーランスとして扱われるケース

例えばプラットフォームワーカーのように、実態としては労働法適用対象である「労働者」に該当する働き方をしているのに、「業務委託・請負」の契約形式がとられフリーランスとして扱われる場合があります。それは労働者概念が複雑であることが要因の一つであるため、その見直しが求められています。

 

 

3、業種によって異なる課題

フリーランスと一口に言っても、多種多様です。報酬や、裁量度、交渉力、満足度の高いフリーランスが一定数いる一方で、課題解決を要する方からの相談もたくさんWor-Qに届いています。そして業種によって抱える課題や、その解決のためのステップ、必要な取り組みも異なります。


Wor-Qに寄せられたフリーランスの皆さんからの相談

 

苦しい環境に置かれてるフリーランスの方たちの中には、先述のように実態として労働者に近い働き方をしているケースであっても、労働法の保護を受けることが難しい状況にある方たちがいます。(例:プラットフォームワーカー)

また、高い専門性を持っているにも関わらず、業界の古い慣習や世の中の理解が薄いために苦しい条件で働かざるを得ない立場にあるフリーランスもたくさんいます。(例:文化・芸術・芸能分野で働く方)

 

 

 

4、課題解決のためにどうするの?

フリーランスとして働くすべての皆さんがこのような課題を抱えて働いているわけではありません。ご自身の専門性を活かして、独立して能力を存分に発揮している人、これまで会社に雇われてという形では思うように働くことができなかったのが、フリーランスとして活き活きと働いている人など、満足した働き方を実現している人は大勢います。

私たちWor-Qのミッションは、「弱い立場にあるフリーランスの皆さんに寄り添い、抱えている課題をどのように解決していくか」ということです。

そこでWor-Qは、フリーランス当事者や当事者を束ねる団体、発注者、有識者など多方面の方との意見交換の場である「Wor-Qアドバイザリーボード」等の場を活用してフリーランスの皆さんの声を形にし、「フリーランスサミット」等の取り組みを通じて「フリーランスの皆さんが抱える課題を可視化」、「現状を発信することで世論形成」に取り組んでいます。

また、フリーランスの皆さんの脆弱な社会的セーフティネット強化のために「実態に即した法整備に向けた働きかけ」を行ってまいります。

Wor-Qがめざしているのは、発注者の意識改革によるフリーランスとの対等なパートナーシップを構築し、安心して働く環境を実現することです。

Wor-Qは「誰しもがもっと働きやすい環境」「ひとりひとりが もっと自由に輝ける社会」をめざし、取り組みを進めます。

ぜひ皆さまの声をお聞かせください。