Wor-Q
働くみんなの連合サポートQ

相談事例集

Q
契約以外の仕事をさせられたのに、報酬額が変わりません。
A
下請法が適用される場合には、契約以外の仕事の強制は、下請法が禁止する不当な給付内容の変更や不当な経済上の利益の提供要請の禁止に該当する可能性があります。

解説

契約で、ある仕事をすることを決めた場合には、あなたはあくまで契約で定められた仕事をする義務を負い、契約で定められていない仕事をする義務は本来はありません。下請法が適用される場合には、契約以外の仕事を報酬の変更もなく行わせる行為は、下請法が禁止する「不当な給付内容の変更」(下請法4条2項4号)に該当する可能性がありますし、また、不当な経済上の利益の提供要請の禁止(下請法4条2項3号)に該当する可能性もあります。契約以外の仕事を無償で行うことを承諾していたと後から評価されないように、契約外の作業で別途費用が発生することが分かるように、メール等で痕跡を残しておきましょう。

フリーランスのひとことメモ

フリーランスの弱い立場につけこんで、契約後に無理やり仕事の範囲を広げてくるような発注者も存在するものです。自分で自分の身を守るための幾つかの方法がWor-Q MAGAZINEの特集第5号にまとまっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

「契約で定められた内容以外の仕事を無報酬で押し付けてくる」発注者は困りものですが、それどころか、「仕事をお願いしてるんだから当然だろ」といわんばかりに、「仕事の延長線上にあるのだけれども、実際のところは仕事とは直接関係ないアレコレ」を押し付けてくる発注者も困りものです。
・「意見交換」といった名目での過剰な飲食のお付き合い、「見学」「実地調査」「テスト」などといった名目での各所同伴・出張同行等
・発注者個人のプライベートに関する雑務の手伝い

 

もちろん、発注者(発注者が会社である場合には担当者個人)とプライベートも含めた深い関係性を築いていくことは仕事を円滑に進めていくために大切なことでもありますし、あなた自身もそれを望むのであれば、悪い側面ばかりではないとも言えます。

 

ですが、多くの場合、上記のような「仕事の延長線上にあるのだけれども、実際のところは仕事とは直接関係ないアレコレ」を強いられることは、フリーランスにとって、時間面でも費用負担面でも健康管理面でも大きな負担になることが多いものです。負担になるばかりか、あなたが強い精神的不快感をも感じるようであれば、それはもはやハラスメントと呼ぶべきものです。「契約に定められていない無報酬での追加の仕事」だけでなく「仕事とは関係のないこと」まで押し付けられそうになってしまったら。そのときは、恐れずにきっぱりと断るようにしましょう。それで理不尽な対応を受けた場合には、然るべき相談先に相談して、きっちりと対抗措置を取るようにしていきましょう。

※「フリーランスのひとことメモ」は、Wor-Qの編集業務を業務委託で担当している「フリーランスとして働いている人」が、個人的な経験等に基づいて執筆しているものです。ひとつの参考としてお読みいただけましたら幸いです。

相談の分類:
相談事例番号:qa18
相談事例ページ公開日: 2021年6月14日