第4回「Wor-Qアドバイザリーボード」の開催報告
2023年9月22日
第4回Wor-Qアドバイザリーボード開催報告
2023年3月20日(月)の第3回目に続き、第4回のWor-Qアドバイザリーボードを2023年9月21日(木)に開催しましたので、その概要をお伝えします。
日時:2023年9月21日(木)15:00~18:00
開催形式:対面・オンライン併用
場所:連合会館3階AB会議室
メンバー:
【業界関係者】小池アミイゴ(東京イラストレーターズ・ソサエティ 理事長)、八木志芳(ラジオDJ・ナレーター)、大九明子(映画監督)、坂口理子(脚本家)、菅山りんだ明美(ハッピーエンジン社 代表取締役)、徳應和典(ヤフー社「LODGE」運営責任者)、池水通洋(日本俳優連合 代表理事)、土屋学(日本音楽家ユニオン 代表運営委員)
【学術研究・弁護士】沼田雅之(法政大学法学部教授)、呉学殊(JILPT)、菅俊治(弁護士)、山田康成(弁護士)
【連合関係者】森原功裕(UAゼンセン)
【連合本部】山根木副事務局長、河野総合組織局長、菅村ジェンダー平等・多様性推進局長、小林フェアワーク推進センター局長(代理)、森田労働条件局長、中山組織企画局局長、畠山組織拡大局局長、西野Wor-Qサポートセンター局長、大林、越智
【運営協力会社】紀尾井町戦略研究所
▼概要
2023年度Wor-Qアドバイザリーボードとフリーランスサミット2023の取り組みを振り返り、意見交換を行った。その後、来期の連合運動方針について説明し、10月以降の新体制におけるアドバイザイーボードの継続と委員の再就任の頭出しを行った。
(1)2023年度連合Wor-Qアドバイザリーボードの取り組みについて
(2)フリーランスサミット2023の振り返りと意見交換
(〇メンバー、◎事務局)
1.アドバイザリーボードへの参加およびフリーランスサミットご登壇の感想について主なコメント(抜粋)
〇アドバイザリーボードの参加者は課題意識を持っている人たちの集まり。分からない人や関心が薄い人にどう伝えていくか。分かりやすい言語化が必要。
〇他業種の問題意識や取り組みについて学ぶことができ、自分の参加する業界団体に伝えることができた。参加していることをポジティブに捉えている。
〇フリーランスで働く人は、自分の権利や働き方を守ろうという自覚がない。地域サミットの参加者が雇用労働者の方が多いという実態を踏まえると、届けるべき人たちにまだしっかり届いていないように感じる。
〇本当に情報を届けたい人は勉強する習慣がないことが多く、届きづらい。続けることで段々浸透していくので、継続するためのロードマップが必要。
〇アメリカには助監督や監督、カメラマン、助手、俳優、エキストラ等の組合があり、産別がまとめている。日本でも産別の組合を作って交渉力を身につけるべき。
〇サミット参加者の歩留まり問題の解消のために、オンライン申込の際にカレンダーと連携する仕組みの導入を検討してはどうか。
〇地域サミットはエリアで区切るのもいいが、業界で区切ってはどうか。自分が対象であるということを実感してもらえる。またフリーランスで食べていけない人にとってスポットワークは助けになるので、そのような情報発信もお願いしたい。
〇フリーランスの中でも文化芸能芸術を基点に、その状況や契約等を通じてフリーランス全体を見ていくコンセプトは成功した。
〇フリーランス保護法が成立し、この場で学んだことを参議院の参考人として発言し、国会に届けることができた。他にもインボイス制度や文化庁の雛型の公表、ジャニーズ問題等、世の中の動きとアドバイザリーボードの取り組みが重なりタイムリーだった。
〇フリーランスの生の声を聞くことができ、同じ研究者への発信の場や学生への講義等において実感を込めてお話しできるようになった。また、文化芸能芸術分野の背後にも様々な職種のフリーランスが多くの問題を抱えて働いている。来年以降は裾野を広げることも検討してはどうか。
〇フリーランス保護新法の施行だけでは状況は変わらないので、文化芸能分野のハラスメントや業界の慣例、慣習をかえるためのメスをいれてほしい。
〇業務委託で働いている人、自動車で配送する人からの悲痛な相談が後を絶たない。荷物を運ぶ方は長時間労働、時間配達に追われている。現場を選ぶこともできず、勝手に業務委託契約が締結され、契約書に違約金に関する記載があるために辞めることもできない。連合の名にかけて、昭和60年の労働基準法研究会報告の労働者性の判断基準を見直す会議を開くことについてもっと発言してほしい。連合の存在意義に関わる。
◎労働者性の見直しについては運動方針に記載のとおり取り組んでいく。
〇運送業を中心に雇用労働者もどんどん個人事業主に変わる可能性があり、労働者の地位も危うくなり、労働条件も下がる危険性がある。フリーランス保護にテコ入れをしなければ総崩れになる危機感を持っている。労働者を守るためにも、まずはフリーランスを守らなければならない。時代遅れの労働者性の判断基準を変えるために、連合が本格的に国を動かす運動に取り組んでほしい。
2.サミットを通じた新たなつながりなどの事例
〇サミットに登壇した文化庁の方に著作権法の改善要望について相談し、後日文化庁へ要望書を提出することができた。サミットでの繋がりが生きた。
〇国連のビジネスと人権の作業部会にNAFCAご担当者をお招きし、アニメーターの現場についてご発言いただいた。
〇タイミー社と良質な雇用を守りながら仕事を提供するためのプラットフォームについて共同研究をすることとなった。
(3)連合来期運動方針について
(4)連合Wor-Qアドバイザリーボード継続における再就任のお願いについて
それぞれを説明し、ボードメンバーへの再就任については新体制に移行後、改めてご連絡することとした。
以上
第3回Wor-Qアドバイザリーボード開催報告
2023年1月23日(月)の第2回目に続き、第3回のWor-Qアドバイザリーボードを2023年3月20日(月)に開催しましたので、その概要をお伝えします。
日時:2023年3月20日(月)13:00~16:00
開催場所:連合会館3階AB 会議室
アドバイザリーボードメンバー:
【業界関係者】
SAORI(映画業界で働く女性を守る会 代表)、小池アミイゴ(東京イラストレーターズ・ソサエティ 理事長)、八木志芳(ラジオDJ・ナレーター)、坂口理子(脚本家)、菅山りんだ明美(ハッピーエンジン社 代表取締役)、徳應和典(ヤフー社「LODGE」運営責任者)、池水通洋(日本俳優連合 代表理事)、土屋学(日本音楽家ユニオン 代表運営委員)
【学術研究・弁護士】
沼田雅之(法政大学法学部教授)、菅俊治(弁護士)、山田康成(弁護士)
【連合関係者】
斉藤千秋(連合東京)
【連合本部】
山根木副事務局長、河野総合組織局長、菅村労働法制局長、久保フェアワーク推進センター局長、中山組織企画局局長、畠山組織拡大局局長、西野Wor-Qサポートセンター局長、大林、越智
【運営協力会社】
紀尾井町戦略研究所
▼概要
2023年5月に開催予定のフリーランスサミットの開催概要について説明し、意見交換した。続いて、契約カテゴリー、交渉カテゴリー分科会の進捗について共有した。
(〇メンバー、◎事務局)
【テーマ1.フリーランスサミット企画案について主なコメント(抜粋) 】
〇連合が関与するならば労働者保護の観点も入れてもよいのではないか。また発注側との対立を恐れず、それを乗り越えることまで突き詰めることが重要ではないか。
◎アドバイザリーボードの立ち上げ段階から、対立構造ではなく、受発注双方が一緒に改善しようという考え方を確認してきた。サミットでも同じ考え方を踏襲したい。
◎労働者保護の視点は持っている。この運動を通じて得たことを連合が組織としてどのように政策面に反映させていくか今後検討していく。
〇参加を呼びかける対象はフリーランスだけに限定せず、雇用労働者もうまく巻き込む工夫をしてほしい。
◎連合に集う仲間にとっても他人事ではないので、ぜひサミットに参加してフリーランスの生の声を聴いて、抱える課題について一緒に考えてほしいということを各地方連合会に説明している。
〇フリーランスといっても、「純粋なフリーランス」と「偽装請負的なフリーランス」に大別され、どう整理するか。純粋なフリーランスが労働組合を作ることで労働環境を改善できるというメッセージを出してほしい。
◎企画の中にアマゾン労組やウーバーイーツユニオンに参加していただくなどして、両面から訴えかけることを検討する。
〇芸術分野のフリーランスの中でも業界によって意識は様々。課題に対する感度の高くない層に対するアプローチの工夫が必要。またどのように1万人へ参加を呼び掛けるのか。
◎ウェブやSNSでのリーチに加え、テーマごとに賛同してくれる人に登壇を呼び掛け、企画に深みを持たせてることで魅力を打ち出していく。また、各団体に後援や協賛を要請しており、あわせて告知協力もお願いしていく。
〇仮に1万人が参加しなくても、メディアでの取り上げや、事後にアーカイブから閲覧できることが大事。自分が当事者だと思ってくれるようなコピーや報道のされ方が重要。
〇フリーランスのイメージとしては、雇用労働者から独立した人と、自分にその認識がないままフリーランスだった人に大別され、後者に警鐘を鳴らすことも必要。雇用されている人の労働環境や団体交渉で勝ち取った実績について聞くことができれば、連合主催の意味があるのではないか。フリーランスと雇用労働者の違いが分かる機会にしたい。
〇現実に起きている問題の可視化にとどまっては発展性がない。その場しのぎの問題回避ではなく、労働者性の確立による解決の糸口を探すべき。また、フリーランスをビジネス系、クリエイティブ系と区別せずに、団結してみんなで目的に向かってやっていこうという姿勢が必要ではないか。
〇フリーランス新法の解説のセミナーがあってもいいのではないか。
〇安全衛生に関する労政審の議論をセミナーに反映できないか。
◎アドバイザリーボードは文化芸能芸術が対象であるが、このサミットでは対象を幅広にしていきたい。初めての試みなので、まずは多様な人たちに参加してほしい。色々な思いや課題があるということは受け止めた。
◎リスペクトアワードは「何が対等な形か」の評価軸を今後明示し、そこに合致していれば応募でき、ジャンルは問わないこととする。
【テーマ2.フリーランスサミットのテーマついて】
意見交換の結果、「Be Proud」を基本軸に、副題などを含めて事務局に一任することで確認した。
【テーマ3.日本で締結される一般的な脚本契約と韓国の標準契約書の相違点について】
菅弁護士の説明後、意見交換があった。
▼次回に向けて
第4回Wor-Qアドバイザリーボードは2023年7月~9月に開催の予定です。