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第2回「Wor-Qアドバイザリーボード」開催報告

2023年1月24日

第2回Wor-Qアドバイザリーボード開催報告

 

2022年11月18日(金)の第1回目に続き、第2回のWor-Qアドバイザリーボードを2023年1月23日(月)に開催しましたので、その概要をお伝えします。また、文中にあります「フリーランスの契約に関する調査2023」の詳細につきましては、こちらをご覧ください。

 

▼日  時:2023年1月23日(月)13:00~16:00 

▼開催場所:連合会館8階三役会議室

▼アドバイザリーボードメンバー:

【業界関係者】

SAORI(映画業界で働く女性を守る会 代表)、小池アミイゴ(東京イラストレーターズ・ソサエティ 理事長)、八木志芳(ラジオDJ・ナレーター)、坂口理子(脚本家)、菅山りんだ明美(ハッピーエンジン社 代表取締役)、徳應和典(ヤフー社「LODGE」運営責任者)、池水通洋(日本俳優連合 代表理事)、土屋学(日本音楽家ユニオン 代表運営委員)

【学術研究・弁護士】

沼田雅之(法政大学法学部教授)、呉学殊(JILPT統括研究員)、麻生裕子(連合総研主任研究員)、菅俊治(弁護士)、山田康成(弁護士)

【連合関係者】斉藤千秋(連合東京)

【連合本部】山根木副事務局長、河野総合組織局長、菅村労働法制局長、森田労働条件局局長、久保フェアワーク推進センター局長、中山組織企画局局長、畠山組織拡大局局長、西野Wor-Qサポートセンター局長、大林、越智

【運営協力会社】紀尾井町戦略研究所

       

▼概要

冒頭、第1回アドバイザリーボードの振り返りとその後の進捗状況および2022年末に実施した「フリーランスの契約に関する調査2023」の結果について共有し、続いて事前に実施した各分科会での議論を踏まえ、各テーマについて意見交換しました。

 

【メンバーからの主なコメント(抄録)】

            (〇メンバー、◎事務局)

 

【テーマ1:契約カテゴリーについてメンバーからの主なコメント(抜粋)】

〇どんなフリーランスでもほしい共通条項をひな形に入れたい。また発注側の義務の範囲を具体的に特定することは不可欠。本ボードの中で二次使用権に関する業界の構造変革を議論することは難しい。

〇成果物ができるまでのアイデア出しに対する報酬に関する取り決めがないので、発注者の言い値になることが多い。

〇フリーランスが意欲をもって能力を発揮するためには、韓国の例のように契約終了後に権利がフリーランスのものになることが望ましい。契約の中に盛り込みたい。

〇放送会社に報酬の不足分について請求できる点において、韓国の「放送番組制作スタッフ標準勤労契約書」第11条(賃金の直接請求)は合理的。契約書に入れるべき。

〇モデル契約があると俳優は助かる。ただし、韓国のようにひな形が多数あるのはいいことだが、法的に受け入れられない部分も多い。行政に問題点を訴えて理解を促すことも必要。

〇フリーランスの働き方や報酬の受け取り方などの実態は人によって全く異なることを知ってほしい。厚労省にまったく理解されていないことは持続化給付金の申請スキームでも明らか。

〇契約書がない状況しか知らないため、自分が被害にあっている自覚がない人が多い。行政、フリーランスともに理解を広めることが先決。

◎サミットの場を活用しながら、どう周知していくか今後検討していきたい。

 

【テーマ2:見積・約款カテゴリーについてメンバーからの主なコメント(抜粋)】

〇 対立関係ではなく、お互いいい仕事をするために「まずは見積もらせてください」と言いやすくする関係が理想。受注側にもそのように意識づけすることが重要。

〇 脚本においては、どれくらいの期間の仕事で、何回直しが発生してということが見えない状態で発注されるので、事前に見積ることが難しい。

〇 韓国の契約書においては、準備期間も契約上で明らかにして報酬を決めている。そこからどれだけ期間がオーバーしたか、途中で終わったかで報酬を算定している。

〇 アメリカの俳優組合や脚本家組合は、詳細は約款に記載して、プロジェクト毎の個別具体的な内容は契約書で定めるという運用をしており、JAGDAの約款も同様のモデルになるのではないか。

〇 フリーランス新法で契約書交付が義務化されるのを機に、取り組みを進めるべき。

〇 成果に対する対価か、労働時間に対する対価か、混合かを明らかにする努力が必要。

〇標準契約も見積も約款も契約内容を明らかにするためのアプローチの違い。フリーランス新法で書面の交付義務が盛り込まれようとしている。詳細は公正取引員会規則で定められる可能性があるので、どのような項目を盛り込んでほしいか働きかけることと合わせて、アプローチ方法を追求してほしい。

〇標準契約は提示しても相手方が応じるかどうかわからない、見積ツールは有効だが反対の条件をつけた交叉申込みがあった場合に崩れる、約款モデルはどの母体を使って成立させるかのビジネスモデルから考える必要があるという課題がある。

 

【テーマ3:教育カテゴリーについてメンバーからの主なコメント(抜粋)】

〇現場にいるスタッフはプロジェクト単位で集まるので、研修を実施する際にはプロジェクトに紐づけるのがいい。監督やプロデューザーなど指揮を取る人に率先して研修実施の音頭を取っていただきたいし、研修の受講をお願いしたい。制作会社の意識変容も必要。標語を現場に掲示するのは有効。

〇 制作会社などの法人に対して、このようなプログラムの提供が両者にとってハッピーなんだという呼びかけが不可欠。経営側の立場の方をゲストに招いた議論も必要。

〇YouTuberやインフルエンサーなどで知識のない若い世代のフリーランスには情報が届いていない。研修やアワードがそのような世代にマッチするのか懐疑的。

〇AFFの助成金申請がきっかけで請求書が一斉に浸透した。できたものを評価するよりもこれからできるものに補助や助成をするのも効果的。

〇いかに現場で交渉して、実際に権利を勝ち取るかなどの教育も必要。

 

 

 

 

意見交換の後に、アドバイザリーボードメンバーのフリーランスサミットへの協力について確認しました。

 

▼次回に向けて

第3回Wor-Qアドバイザリーボードは2023年3月20日(月)13:00~16:00に開催の予定です。