Wor-Q
働くみんなの連合サポートQ

相談事例集

Q
病気で急遽入院し、業務が遅れたら損害賠償を請求されました。
A
賠償を免れることができる可能性があります。

解説

納期が定められている場合にこれに遅れると、履行遅滞として、原則としてこれによって生じた損害について賠償する責任が生じます。ただし、履行遅滞があなたの「責めに帰することができない事由によるもの」であるときは、損害賠償責任を免れることが出来ます(民法415条1項)。「責めに帰することができない事由」の存否は具体的状況によりますが、予期せぬ病気の発症で入院せざるを得なかった場合に同事由に該当すると判断される可能性があります。
また、そもそも業務が遅れてしまったとしても、必ずしも債権者(発注者・委託者など)に常に損害が生じるわけではありませんし、損害額もケースバイケースです。したがって、請求された賠償額が適正なものであるのかを確認する必要があるでしょう。
ただし、事前に契約書で損害賠償責任について定めていた場合には、原則として当該条項に従って解釈されるのでご注意ください。また、入院することになったらすぐに債権者側に連絡をするなど、あなたの側でも損害発生を抑えるための努力が求められます。

フリーランスのひとことメモ

病気ばかりはなんともできません。病気にかかりたくてかかるひとはいません。プロフェッショナルである以上「健康管理も仕事のうち」ではありますが、どれだけ健康管理をしていても、病気にかかってしまうこともあるわけです。病気になってしまい、やむをえず業務が遅れてしまう場合には、まずは「できるだけ早く」発注者に報告して、相談を行うことです。通常は、人道的観点から、寛容な対応を行ってくれるものです。

しかしながら、必ずしも、スムーズに事が運ぶとも限りません。病気による「もしも」に備えるためには、保険・共済が重要です。病気になってしまった場合には、「治療を受けるために必要なお金」、「入院中で働くことができず収入が減少してしまったぶんを確保するためのお金」、「入院によって発生させてしまったクライアントの損害をカバーしなければならなくなってしまったときのためのお金」、というふうに、とにかくお金が必要になるものです。これらの金銭的リスクをカバーしてくれるものは、保険・共済以外にありません。世の中にはさまざまな保険・共済商品が存在していますから、開業後できるだけ早いうちにしっかりと調べて、フリーランスとしての働きかた・生きかたにマッチした保険・共済に加入し、「もしものとき」に備えておくことが望ましいでしょう。

万が一のときのためにしっかりと貯蓄をしておくことも重要です。 もしものときに、最低でも半年間は収入がなくても生きていける程度の貯蓄を「非常用資金」として確保しておきたいものです。いまあなたが毎月20万円の報酬を得て生活をしているようであれば、120万円の貯蓄です。毎月40万円の報酬を得て生活をしているようであれば、240万円の貯蓄です。もし万が一、どうにもならないときに、貯蓄があれば、当面はしのぐことができます。貯蓄のためにもっとも効果的な方法は、節約です。何もしなくても毎月必ず発生するコストのことを「固定費」と言います。この「固定費」をどれだけ引き下げることができるかが貯蓄の鍵です。フリーランスで仕事をしていると、仕事に関するさまざまな固定費が出ていきます。定期的に、仕事に関連して毎月発生している費用を洗い出して積み上げてみてください。賃料、通信費、光熱水道費、税理士等の専門家への月次顧問料、確定申告用の経理クラウドサービスの月額利用料、自分自身のウェブサイトを運営するための月次サーバーコスト・・・、合計すると結構な金額になっていることが分かるはずです。こうした金額をできる限りおさえていくことが貯蓄の鍵です。仲間同士で必要なものを互いに融通しあうなどして固定費を抑えていきましょう。月次の固定費を引き下げておくことで、万が一、病気で収入が途絶えてしまった時も、毎月の支出総額もおさえることができるので、万が一の時に貯金でしのげる期間もじりじりと伸ばしていくことができます。

フリーランスは、常に、「もしも」に備える意識を持つことが大切です。みんなでノウハウを共有しあって、みんなで強いフリーランスを目指していきましょう!

※「フリーランスのひとことメモ」は、Wor-Qの編集業務を業務委託で担当している「フリーランスとして働いている人」が、個人的な経験等に基づいて執筆しているものです。ひとつの参考としてお読みいただけましたら幸いです。

相談の分類:
相談事例番号:qa59
相談事例ページ公開日: 2021年6月28日