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働くみんなの連合サポートQ

相談事例集

Q
フリーランスでイラストレーターをしています。依頼主が出版している雑誌用のイラストを数点納品し、契約通りの報酬をお支払いいただきました。ところが、後日勝手にオンラインで二次利用されていることが分かりました。契約書には二次利用については許可することは記載していません。追加の費用や著作権料を請求するにはどうしたらいいでしょうか。
A
許諾のない二次利用は著作権侵害であることを伝え、改めて契約を締結し直すのが良いでしょう。

解説

著作権者には、著作物を勝手に二次利用されない権利がありますので、依頼主の行ったことは著作権侵害にあたります。
そのことを前提に、二次利用の態様やそれに応じた著作権使用料について交渉して契約を締結し直すと良いでしょう。その際には、すでに利用された分に対する著作権使用料の支払いも求めましょう。
これに応じない場合は、イラスト使用の差し止めを求めたり、損害賠償を請求することを検討することになります。

フリーランスのひとことメモ

 

イラストレーションの制作を依頼された場合には、二次利用に関するトラブルが起きないよう、将来まで見通した契約を取り交わしておくことが非常に重要です。
まず、一番最初の契約において、著作権を譲渡する契約とするのか、著作権は著作者(イラストレーターさんご本人)に残したままとしたうえで「利用を許可する」契約とするのかをハッキリ決めることが大切です。

 

著作権を譲渡する契約とする場合には、将来にわたり、譲渡先(イラストレーターさんに仕事を頼んだ発注者さん)が自由に決定できることとなります。ですから、著作権を譲渡する契約とする場合には、相応の金額の報酬をしっかりと要求するようにしましょう(なお、この場合(著作権を譲渡する場合)でも、著作権法第27条および第28条に定められた権利(翻訳・翻案等を行う権利、そうして制作された「二次的著作物」の利用に関する権利全般)は、契約書内で明示しない限りは、著作者(イラストレーターさんご本人)に残ることになります(著作権法第61条2項)。また、同様に、この場合(著作権を譲渡する場合)でも、いわゆる著作者人格権(「氏名表示権」「同一性保持権」)は著作者(イラストレーターさんご本人)に残ることになります。ただし、契約において「著作者(イラストレーターさんご本人)は著作者人格権の行使を行わないものとする」などといった規定が存在する場合には、著作者人格権は著作者が持つ状態にあるものの、それを行使することができないこととなりますので、注意が必要です)。

 

いっぽう、著作権は著作者(イラストレーターさんご本人)に残したままとしたうえで「利用を許可する」契約(著作物の「利用許諾契約」)とする場合には、<「何を」「いつからいつまでの期間」「何を目的としてどのような形でどのような場所で」利用することを許諾するのか>といった「範囲」を明確にしたうえで、契約を取り結ぶこととなります。この、利用許諾契約において定める当初の利用を「一次利用」と呼びます。そのうえで、利用範囲を広げたり、新しい形での利用を行うことを「二次利用」と呼びますが、発注者が二次利用を行うことを希望する場合には、当然のことながら、著作者(イラストレーターさんご本人)と再度「利用許諾契約」を結んで、二次利用における利用の範囲と、利用することに対する「報酬の額」を定めることとなります。

 

なお、ある著作物をもとに、その著作物の特徴をそのままに、異なる表現形式で作り出された新たな著作物を「二次的著作物」といいます(「二次利用」とは異なります)。これには、あなたが作成したイラストレーションをもとに、マンガ化を行ったりアニメ化を行ったりするような行為を含みます。このような「二次的著作物」の制作と利用については、上述の通り、著作権を譲渡する場合であっても、契約書上明記がなければ著作者に権利が残ることとなりますし、「利用許諾契約」の場合には、当然、そのような行為を行う権利を許諾しているわけではありませんから、発注者が著作者(イラストレーターさんご本人)に無許可で行ってはならない行為であるといえます。発注者が「二次的著作物」の制作と利用を希望する場合には、著作者と、しかるべき契約をしっかり取り交わし、著作者に対して正当な報酬を支払うことが必要です。

※「フリーランスのひとことメモ」は、Wor-Qの編集業務を業務委託で担当している「フリーランスとして働いている人」が、個人的な経験等に基づいて執筆しているものです。ひとつの参考としてお読みいただけましたら幸いです。

相談の分類: 
相談事例番号:qa114
相談事例ページ公開日: 2021年10月4日