Wor-Q
働くみんなの連合サポートQ

相談事例集

Q
業務委託でインストラクターをしています。新型コロナウイルスの影響でレッスンが開けず、賃金を払えないと言われました。
A
会社の対応の意味と業務委託契約の内容を確認しましょう。

解説

まず、会社がしてきた対応がどういうことなのか、そしてそれがあなたと会社との間の業務委託契約でどのような対応をとることになっているか、確認しましょう。たとえば、会社が休業するということであれば、そのような場合に補償制度を設けていないか、また、業務委託契約の解除ということとであれば、どのような場合に契約が解除されるのか、ということを、それぞれ確認する必要があります。なお、一方的な解除であって一定の場合には、会社に対して損害賠償を求めることができます(民法651条2項)。
また、契約書の形式的には「業務委託」となっている場合であっても、実態は労働契約であると判断される場合もあります。労働契約であると判断されれば、基本的には、労働基準法を含む労働関係諸法令の適用があることになります。そして、あなたが労働基準法上の「労働者」といえるかどうかは、①会社の指揮監督の下に労働していたといえるか、②報酬が労務との間で対償性が認められるかなどの諸要素を総合的に勘案して判断されます。そして、実態が労働契約であると判断されれば、会社は、一定の場合には、賃金の支払をする必要があります(民法536条2項)。具体的な判断をするためには、実際の働き方を詳しく伺う必要がありますから、まずは、ご相談ください。

 

フリーランスのひとことメモ

 

コロナの影響は長期化しつつあります。じわじわとボディーブローのようにダメージが蓄積してきているところに一発大きな衝撃を受けたら、いよいよ生活が破綻してしまう・・・。そんなふうに不安を感じておられる方も多いのではないでしょうか。「Q」のように、あなたの意向とは無関係に、取引先の判断でいきなり仕事が打ち切られ、なんらの金銭的補償も受けられないのだとしたら、困ってしまいますよね。「A」欄に記載されているように、そのような場合には法律の専門家に直ちに相談するなどして、取引先との間で交渉を行うべきです。諦めたらおしまいです。気軽に利用できるWor-Qの「弁護士相談サポート窓口」もあります。どうぞご活用ください。

 

とはいえ、交渉には時間がかかるものです。また、取引先の会社も、嘘偽りなく、経営的に非常に厳しい状況におかれている可能性もあるでしょう。取引先との交渉によってしかるべき補償を受け取る道を模索することと並行して、当面の生活を守るためには急ぎの対応が必要になるはずです。そのような状況が突然やってきた時のために、あらかじめ、万が一の際にすぐに借り入れを受けられるような融資枠を用意しておくべきです。法外な金利を要求してくる怪しい金融業者の手にかからないように、日頃から取引している個人事業主としての事業用口座を置いている銀行に「万が一の際にビジネスローン」を借りられるかどうか、事前に問い合わせておくのもよいでしょう。最近では、大手ネット銀行が、来店不要でスピーディーに貸付をしてくれるビジネスローンサービスの提供も行っています。

 

加えて、利用できる公的な制度もフルに活用するべきです。まず、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、少額の費用を貸してくれる「緊急小口資金」という制度があります。全国各地の社会福祉協議会が窓口になっています。条件付きで最大20万円まで、無利子で、保証人を立てる必要もなく、1年以内ではあるものの据置期間(借り入れ元金の返済をしなくてよい期間)も設定できる貸付を受けることが可能です(厚生労働省|緊急小口資金|)。この制度を利用してもなお生活が厳しいという状況が継続する場合には、生活の再建までの間に必要な生活費用を貸し付けてくれる「総合支援資金」という制度があります。二人以上での世帯で月20万円以内、単身世帯で月15万円以内を、原則3か月以内、借り入れることができます。(厚生労働省|総合支援資金|)これらの制度は、もちろん個人事業主・フリーランスでも利用できるものですし、完全な休業(失業)状態になくても、収入減等の条件を満たせば、利用できるものです。申し込みも、相談も、最寄りの(お住いの市区町村の)社会福祉協議会で行うことができます。

 

もう1点重要なこととしては、「どこか特定の取引先の仕事だけに収入が依存した状況とならないよう、収入獲得の道を広げておくこと」があります。一本足打法は危険です。取引先によっては、「かけもち不可」といった条件をつけてくる相手もいるかもしれませんが、そのような条件を先方が要求してきた場合には、あなたも、「万が一の際の収入の補償」をしっかりと要求するようにしましょう。インターネット時代となり、収入獲得の方法はさまざまに広がってきています。まずは、月1万円からでも、「もうひとつ別の収入の柱」を作っていってみてはどうでしょうか。その積み重ねが、万が一の際の備えになるはずです。

※「フリーランスのひとことメモ」は、Wor-Qの編集業務を業務委託で担当している「フリーランスとして働いている人」が、個人的な経験等に基づいて執筆しているものです。ひとつの参考としてお読みいただけましたら幸いです。

相談の分類:
相談事例番号:qa74
相談事例ページ公開日: 2022年1月18日