Wor-Q
働くみんなの連合サポートQ

相談事例集

Q
納品した成果物に対して過度の修正の要求があり、結果納期に間に合いませんでした。
A
契約で想定されていないような過度な修正要求に応じたことにより納期に間に合わなかったとしても、それは発注者の責任であって受注者の責任ではありません。

解説

成果物の納品に対して修正要求がある場合もあるでしょう。しかしながら、その修正要求が契約で想定されていないような過度な修正要求である場合、仮にその修正要求に応じて納期に間に合わなかったとしても、それは発注者の責任であり、受注者の責任ではありません。そのため、例えば、その納期に間に合わなかったことを理由に発注者が成果物の受領を拒否することは、下請法の禁止する「受領拒否」に該当する可能性がありますし、納期に間に合わなかったことを理由として代金の減額を行うことも許されないと考えられます。

 

フリーランスのひとことメモ

 

一生懸命頑張って仕事を仕上げたのに、「やり直し」を求められてしまったら。辛いですよね。もちろん、あなたのミスであれば、対応しなければならないのは当然です。ですが、もともと特になんの希望も言われていなかったのに、「なんか違うんですよね」などと、あやふやな理由で「やり直し」を求められたら。たまったものではありませんよね。無理な「やり直し」をしなければならなくなって、結果、納期に間に合わなくなってしまうことを責められるのは辛いものです。そして、次の仕事のスケジュールまで変更しなければならなくなってしまったとしたら、それはもう大変なことです。フリーランスとして生き延びていくためには、とにかく、「やり直しを求められないように入念に対策を取っておくこと」が重要です。

 

「最初に設計(イメージ)のすりあわせを入念に行うこと」「中間段階でこまめに報告をしていくこと」の2点が具体的なテクニックです。ですが、クライアント(発注者)によっては「最終的な仕上がりを見てみないと何とも言えない」などと、言質(げんち)を取らせないように、こちらの「事前確認」に応じてくれない場合があります。そのような状況に陥らないようにするためにも、契約(仕事の依頼)が「請負」の形式であるのか「委任(準委任)」の形式であるのかを最初にハッキリとさせておくことが極めて重要です。

 

もしも「請負」の形式であるならば、「どんなものを完成させてほしいのか」について、クライアント(発注者)の側が明確に要求(リクエスト)する必要があります。受注者としてのあなたの責任は、要求(リクエスト)された内容を責任もって完成させることのみです。

 

いっぽうで「委任(準委任)」の形式であるならば、「プロフェッショナルとしての自分を信頼して頂いていて、お任せしていただいている、という理解で宜しいですよね」という、大前提の基本原則について、しっかりと合意形成をしておくべきです。本来、「委任(準委任)」というのはそういうものです。そのうえで、一番最初に、「もしも、これだけはどうしても、という要望がおありでしたら、最初からリクエストしておいてくださいね」と念押ししておくことが肝心です。「お任せ」だから楽だ、というものでもありません。「お任せ」ということは、「何をどのように形にしていくか」について考える作業も含めて頼まれているわけですから、受ける側は、ある意味で「請負」の形で仕事を受ける以上に大変なわけです。「考える負担も含めて引き受けているわけですから、あとから「ここはイメージと違う」などとおっしゃらないでくださいね(もしも明確なご要望があるようでしたら必ず最初に伝えてくださいね)」、と、最初にやわらかく伝えておくべきです。

 

なお、このように「委任(準委任)」の形式で、明確な成果物の具体的イメージがない状態で仕事を引き受ける場合には、仕事を受ける側としても、相手のニーズをしっかりと捉えて、期待に応えるアウトプットを出すための最善の努力を怠らないことが求められます。プロフェッショナルとしてのスキルが問われる、ということです。プロフェッショナルとしてのスキルを高めていくための方法は、Wor-Q Magazine特集第9号「50年後も生き残る!フリーランスのためのスキルアップ&キャリアアップ戦略ガイド」第1部・1-1・「真のプロフェッショナルとは」のコーナーにまとまっています。ぜひご覧ください!

 

ところで、あなたになんの落ち度もなく、クライアント(発注者)のニーズに応える内容の仕事をきっちりと成し遂げたにも関わらず、まるで「いやがらせ」のように理不尽な修正要求を執拗にしてくる場合にはどうしたらよいでしょうか。そのような行為は、発注者と受注者の間の力の不均衡を利用した、いわば「いじめ」であり、ハラスメントと呼べるものです。あまりにも悪質な(理不尽な)修正依頼を受け、それがために当初予定通りに報酬を受け取ることができないような状況となってしまったら、迷わず第三者に相談するようにしましょう。Wor-Qには、労働相談窓口のほか、弁護士への相談をサポートする窓口も用意されています。ぜひご活用ください。

※「フリーランスのひとことメモ」は、Wor-Qの編集業務を業務委託で担当している「フリーランスとして働いている人」が、個人的な経験等に基づいて執筆しているものです。ひとつの参考としてお読みいただけましたら幸いです。

相談の分類:
相談事例番号:qa21
相談事例ページ公開日: 2021年11月16日