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特集第14号「フリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【後編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~」(2022年12月2日公開)

Wor-Q MAGAZINE特集第14号のテーマはフリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【後編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~です。 特集第13号(前編)では、お客様とのコミュニケーション(情報のやりとり)をスムーズにするためのIT活用方法を紹介しました。特集第14号(後編)では、ビジネスの基礎となる日々の事務作業をスムーズにするためのIT活用方法を紹介します。あなたのビジネスの動きを「データ」にして、ITで管理することで、業務は飛躍的にスムーズになります。

2022年12月1日

特集公開日:2022年12月2日 by Wor-Q MAGAZINE 編集部

Wor-Q MAGAZINE特集第14号のテーマはフリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【後編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~です。

特集第13号(前編)では、お客様とのコミュニケーション(情報のやりとり)をスムーズにするためのIT活用方法を紹介しました。特集第14号(後編)では、ビジネスの基礎となる日々の事務作業をスムーズにするためのIT活用方法を紹介します。あなたのビジネスの動きを「データ」にして、ITで管理することで、業務は飛躍的にスムーズになります。

本特集では、そうした大切な「データ」を守るための方法についても、しっかりと紹介していきます。ぜひお読みください。そして、ぜひ、必要とされている方に届くよう、このページのURLをシェアしてくださいますと幸いです。

特集コンテンツをフル活用して頂くために

「Wor-Q MAGAZINE」の特集記事の中には、「働く」に関する難しい専門用語を学びながら読み進めていくことができるよう、「Wor-Q用語集」へのハイパーリンクを丁寧に設定しています。また、具体的な事例を参照しながら、より具体的・実際的に各テーマに対する理解を深めていくことができるよう、「Wor-Q相談事例集」へのハイパーリンクもところどころに丁寧に設定しています。「Wor-Q MAGAZINE」は、どなたでも全文無料でお読みいただくことができますが、Wor-Qで「連合ネットワーク会員」に登録いただくことで、すべての「Wor-Q用語集」「Wor-Q相談事例集」を参照しながら、より便利に&より深く、「Wor-Q MAGAZINE」をお読みいただくことができるようになります。「連合ネットワーク会員」への登録はカンタン、そして無料です!まだ登録がお済みでない方は、まず、ぜひ、ご登録をご検討ください!

 フリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【後編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~

 1: ITツールであなたの商品づくり・サービス提供を進化させよう

 ■ 自分なりの業務システムを作りあげよう

あなたの日々の仕事を、一度、全部、洗い出してみてください。お客様から注文を受けてから、サービスを提供するまでの間に、さまざまな業務を内部で行っているはずです。さまざまな書類を作らなければならないことも多いでしょう。見積書、注文書、請求書・・・、などなど。こうした、業務にまつわる情報処理・事務作業をスムーズに終わらせることができるかどうかで、あなたの仕事の効率は大きく変わります。

鍵は、「システムによる自動化」です。システムというと難しいイメージがありますが、システムの基本は非常にシンプルです。情報を入力すると、自動的に情報が処理され、処理された情報が出力される。これが、システムの基本です。

そうしたシステムを作るためには、従来は、プログラミングやデータベース設計に関する高度な技術知識が必要でした。ですが、昨今では、そうした知識がなくても、パソコンの画面上で設定作業をするだけで、自由自在に、自分が作りたいシステムを作り出すことができるサービスが登場してきています。その代表的なものが「KINTONE」です。

KINTONEは、自分で自由にカスタマイズしたシステムを簡単に作ることのできるサービスです。もちろん個人事業主(フリーランス)でも利用することができます(契約は「5ユーザー」からになります)。ライトコースでユーザー1人あたり月額780円、スタンダードコースでユーザー1人あたり月額1500円から利用することができます。

KINTONEを使えば、簡単に、あなたのビジネスにぴったりマッチした、オリジナルのデータベースシステムを作ることができます。どんな情報項目を、どうやって管理していくか、すべて自由に定義できます。そこに、データをどんどんためていくことができます。顧客データベース、受注データベース、販売データベース・・・・。日々の膨大な業務の記録を簡単に残していくことができます。一度データベースを作ってしまえば、データベースを参照して情報を入力したりすることもできますから(例:顧客データベースをもとに、注文受書を自動作成する、など)、入力作業も簡単になり、入力間違いによる手戻りも防げます。

業務を効率化する秘訣は、できる限り、単純業務を自動化していくことです。例えば、商品・サービスの一覧(カタログ)をKINTONEのデータベースに登録し、そのデータを「ビュー(画面)」でお客様が閲覧・検索できるようにして問い合わせ対応の負荷・手間を減らしたりすることができます。また、お客様の注文をオンラインのフォームで受け付けて、そのデータをKINTONEのデータベースに自動で登録することもできます。そして、登録されたデータをもとに、業務の進捗を記録して、どのお客様のどの仕事がどこまで進捗しているかが一目瞭然、というような仕組みも簡単に作ることができます。さらには、業務処理の状況を、お客様に自動でメール送信するような仕組みを用意することもできますし、必要な書類を簡単に自動作成してくれるような仕組みもつくることができます!こんな便利なシステムを、プログラミング・データベース構築の必要なく誰でも作れるなんて、すごい時代になりましたね。

kViewer|KINTONEのデータをビュー(画面)にして外部から参照可能にするツール|サービスサイト
フォームブリッジ|外部公開されたWebフォームを通じて送信されてきたデータをKINTONEに自動格納するツール|サービスサイト
kMailer|KINTONEと連携して自動的に外部にメールを送信できるツール|サービスサイト
プリントクリエイター|KINTONEのデータをもとに自動的に帳票を生成してくれるツール|サービスサイト

 ■ 経理もIT化しよう

このようにして、あなたのビジネスの記録をしっかりとITツールで管理しておけば、経理もスムーズに進めることができるようになります! ITツールでビジネスの記録をデータとして管理しておけば、経理のITツールにデータを流し込んでいくだけで、あっという間に経理業務を終えることができるようになるのです!経理をITで処理できる代表的なサービスとしては「freee」と「マネーフォワード」がありますが、そのどちらも、KINTONEとの連携に対応しています。

KINTONE×freeeサービス紹介
マネーフォワード クラウド for KINTONE|サービス紹介

たとえば、お客様との取引のデータをKINTONEで管理しておくことで、そのデータを経理のシステムに取り込むことで、スムーズに売上まわりの経理処理ができるようになるのです。

 ■ 契約もIT化しよう

それだけではありません。KINTONEにデータを管理しておくことで、オンラインで契約を取り交わすことのできるクラウド型電子契約サービスと連携させ、KINTONEに登録しておいたデータから自動的に契約書を作成したり、いつ、誰と、どんな契約書を取り交わしたのかをきっちりKINTONE上で管理したり、ということも簡単にできるようになるのです!

KINTONE|kintone×電子契約で契約業務を超効率化!|サービス紹介

このように、情報を「データ」として「システム」で管理していくことで、情報処理をどんどん自動化することができ、あらゆる業務がスムーズに流れだすようになるのです。苦手意識を持っておられる方も多いかもしれませんが、ITツールを使いこなせるかどうかで業務効率はまったく変わってきますよ!

 ■ ビジネスパートナーとのやりとりもIT活用で効率化していこう

日々の仕事を、さまざまなビジネスパートナーと一緒に進めている方も多いことと思います。ITツールを活用することで、そうしたチーム・コラボレーションを進化させていくことができます。

まずは、日々の情報のやりとりをスムーズにするITツールを紹介します。今や、ビジネスのやりとりをメールで進めることは少なくなってきました。タイムラグが生じてしまうからです。もっと迅速に、密なコミュニケーションを進めていくために、グループチャットと呼ばれる仕組みを活用する人が増えてきています。

気軽に使えるツールとして普及が進んでいるものとして、LINEの「グループ」機能Facebookの「グループ」機能があります。やりとりをしたいメンバーでグループを組むことで、グループ内に閉じた情報のやりとりを簡単にスタートすることができます。

これらの簡易なグループチャットツールは無料で使用できますし、使い勝手もよいものですが、とはいえ、ビジネスに関するセキュリティの高い情報をやりとりしたり、オンラインでさまざまな作業を共同で進めていくには限界があります。

より高度なコラボレーション(共同作業)を実現するためのITツールとしては、「Microsoft Teams」「Google Workspace」の2つが代表的なものです。加えて、文書作成を共同で進めていくことができる「Adobe Document Cloud」という便利なツールもありますから、おさえておきましょう。

Microsoft Teamsサービスサイト

グループでチャットをしたり、ドキュメントやファイルを共有して、共同で作業したりすることができます。制限付きですが、基本的な機能は無料で使い始めることができますが、制限なく機能を利用し続けるためには有料プランに加入する必要があります(エッセンシャルプランでユーザー1人あたり430円/月、スタンダードプランでユーザー1人あたり1360円/月です)。利用には「Microsoftアカウント」が必要です。「Microsoftアカウント」をお持ちの方であれば、サインアップして、すぐに使い始めることができます。Windowsアプリをダウンロード・インストールして使用することもできますし、ブラウザ(Webアプリ)を通じて利用することもできます。共有のカレンダーで、仕事に関するスケジュールを関係者全員で共有することもできますよ。ぜひ活用してみてください。

Microsoftアカウントサービスサイト

Microsoftアカウントは、無料で作成することができます。お持ちでない方は、ぜひ作成しておきましょう。Microsoftアカウントは、Windows OS搭載のパソコンを購入する際に初期設定を行って取得済の方も多いかもしれません。Windowsパソコン購入~初期設定の際にMicrosoftアカウントを作成した場合には、必ず、アカウントに関する情報を記録しておくようにしましょう。Microsoftアカウントは、Microsoft社の提供する、Microsoft Teamsのほか、さまざまなサービスを利用するために不可欠なIDとなっています。きっちりと管理しておきましょう。

Google Workspaceサービスサイト

Googleが提供しているコラボレーションのためのツールが「Google Workspace」です。Googleアカウントを持っていれば、すぐに使い始めることができます(無料試用期間終了後は有料に切り替わります。スタータープランでユーザー1人あたり680円/月、スタンダードプランでユーザー1人あたり1360円/月です)。グループでチャットをしたり、ドキュメントやファイルを共有して、共同で作業したりすることができます。共有のカレンダーで、仕事に関するスケジュールを関係者全員で共有することもできますよ。ぜひ活用してみてください。

Adobe Document Cloudサービスサイト

共同で文書作成をスムーズに進めていくことができる「Adobe Document Cloud」という便利なツールがあります。「Adobe ID(無料)」の登録さえしておけば、2GBのクラウドストレージにPDFファイルを格納して、コメントをいれたりしながらビジネスパートナーと共同で文書作成を進めていくことができます。「この資料のここを直してください!」などというやりとりが、劇的にスムーズになりますよ!パソコンに、無料で使える「Acrobat Reader」というソフトウェアもインストールしておくことで、「Adobe Document Cloud」との連携もスムーズになりますから、ぜひ設定をしておくとよいでしょう。

Adobe Acrobat Readerダウンロード
Adobe ID登録

 2: 安心・安全にITツールを使い続けていくために

ここまでは「ITツールを活用してできること」を順番に見てきました。ITツールは非常に便利なものです。しかし、きちんと保守していかないと、思わぬ問題が生じてしまうこともあります。安心・安全にITツールを使い続けていくためのポイントをしっかりおさえておきましょう。攻めも大事ですが、守りも大事です。

 ■ セキュリティの要、IDとパスワードをしっかり管理しよう

まずは、IDとパスワードの管理です。ここまで見てきたサービスの利用に必要なアカウントだけ見ても、

●Yahoo!JAPANビジネスID
●Googleアカウント
●Microsoftアカウント
●Amazonアカウント
●Adobeアカウント
●SNS(TwitterやFacebookやInstagramやLINE)のアカウント

と、膨大な数です。とてもではないですが、暗記できるものではないですよね。

IDやパスワードを忘れてしまうと、大切なデータにアクセスできなくなってしまいます。また、IDやパスワードを第三者に知られてしまえば、不正アクセスにつながります。IDやパスワードは、「忘れないように」なおかつ「盗まれないように」厳重に管理しなければなりません。

IDやパスワードを、誰でも見えるようなところに紙に書いて放置しておいたりするのが論外であるのはもちろんのこと、手帳に書き留めて持ち歩くなども危険です。カバンごと、ノートパソコンと手帳をセットで紛失したり盗難にあったりしたら一発アウトです。

パソコンの中に(IDやパスワードをファイルに記録するなどして)データで保管しておくにしても、そのパソコンおよびデータに対して(パスワードをかけるなどして)セキュリティを確保するなど、厳格に管理しなければなりません。パソコン本体を盗まれるなどして、パソコンを開かれたら、すべてのサービスへのID・パスワードが簡単にみられるようになっているようでは、セキュリティ保護レベルとしては非常に弱いと言わざるを得ません。また、パソコンのデータをバックアップする場合には、そのバックアップ先にも(パスワードをかけるなどして)セキュリティを確保して厳重に管理しなければなりません。パソコンのセキュリティをどれだけ厳格に管理していても、バックアップ先のストレージにパスワードがかかっていなければ意味がありません。

さらに厳格に管理をしていきたいと考えるならば、パスワードを安全に管理するための専用のサービスもありますから、利用を検討するのも一案です。

Google|パスワードマネージャー|サービスサイト
トレンドマイクロ|パスワードマネージャー|サービスサイト
McAfee|TrueKey|サービスサイト

デジタルデータは常にセキュリティリスクにさらされていますから、あえて、印刷したものを、物理的なセキュリティが確保された空間の中で、鍵をかけて厳重に管理するという方法もあります。覚えやすく、なおかつ複雑なパスワードを考えて「なんとかして記憶する」という方法もあります。「管理のしやすさ」と「厳格な管理」の間のバランスの中で、自己責任で、自分にとって最適な管理方法を作り出していってください。

最後にもう1点。IDやパスワードを利用して実際にログインする際にも注意が必要です。セキュリティレベルの低い公衆無線LANなどを使用して、「HTTPS」という方式で通信が暗号化されていない「HTTP」通信にしか対応していないウェブサイトのフォームでIDやパスワードを送信すると、悪意ある第三者に通信内容をスキャンされ、IDやパスワードを知られてしまう危険性があります。IDやパスワードを使用してフォームから情報を送信する場合には、セキュリティレベルの高いネットワーク環境(信用できる人だけが接続しているクローズドなネットワーク環境)で、接続先のウェブサイトが「HTTPS」対応になっているかどうかを確認し(一般的には、「HTTPS」対応であれば、ブラウザのURLアドレスバーに「鍵のかかった錠」マークが表示されます。また、URLの冒頭が「https://~」となっています)、それから慎重に実行するように心がけてください。また、なりすましサイトにも注意が必要です。本物のサイトを偽装してログインを要求してきたりするフィッシングメールにはくれぐれも注意するようにしましょう。

 ■ 個人情報保護法をしっかり理解しよう

特集第13号(前編)で見てきたように、ITツールを活用してお客様の情報をしっかり管理することで、効率よく、お客様ひとりひとりに丁寧なサービスを提供することができます。ですが、お客様の情報を取得・活用するにあたっては、お客様のプライバシーを預かっていることに他なりませんから、厳格な管理が必要です。平成29年5月30日以降、個人事業主(フリーランス)も個人情報保護法の適用対象となっていますから、個人情報保護法をしっかりと理解して、お客様の情報を大切に取り扱うようにしましょう。

 ■ データを守ろう ~「保守」を怠らないように~

データを守るためには、第三者に不正にアクセスされないよう「セキュリティを確保する」ことが一番大切ですが、それだけではデータを守り切ることはできません。パソコンやスマートフォンは機械ですから、故障したりする場合もあります。パソコンやスマートフォンが故障してしまうと、データにアクセスできなくなってしまい、業務がまったく進まなくなってしまうことになります。個人用のパソコンが壊れたくらいであれば「不便だな」程度で済みますが、ビジネスで使用しているパソコンが壊れてしまうと死活問題です。会社であれば万が一の場合には誰かが代わりに対応してくれるというようなこともあるでしょうが、フリーランスの場合、どうにもならず、「詰んでしまう」リスクがあります。ハードウェア(機械)、使用しているソフトウェア(パソコンにインストールしているソフトウェア、インターネットを通じて利用しているクラウドソフトウェアの両方)を含むシステム環境全体が安定した状態に保たれるよう、きっちりとしたメンテナンス(=保守)を行っていくことが極めて重要です。

まず、パソコン本体が故障した場合、専門の業者さんに相談し、パソコンの修理を試みることになります。もしもの時に備え、いつでも相談できる頼れる業者さんとの関係性をきっちりと築いておくようにしましょう。機器メーカー本体の保守・サポートサービスを利用するのも手ですし、それ以外にも、専門の業者が全国でチェーン展開しています。パソコンが壊れてから業者探しを始めるのでは大変です。予めしっかりと相談先を確保しておくようにしましょう。

例|Dospara(ドスパラ)グループパソコン修理のご案内

ソフトウェアやOSレベルで故障が生じた場合、ソフトウェアやOSを修復することで再びパソコンにアクセスできるようになりますが、万が一、ソフトウェアやOSの修復が困難(不可能)だった場合には、パソコン本体から物理的にデータストレージだけを取り出して、データを救出することを試みることになります。

その際、昨今では、セキュリティを強化する目的で、パソコン購入時にデータストレージそのものに予めパスワードが設定されている場合があり、そのパスワードをあらかじめ控えておかないと、万が一の際にストレージからデータを救出できなくなってしまっています。Windowsマシンにおいては「BitLocker回復キー」と呼ばれるものです。もしもの時に備え、自身のマシンがBitLockerで暗号化されているかどうか、暗号化されている場合には回復キーはどのようなものか、しっかりと確認しておくことを強くお勧めします。

Macintoshマシンの場合には「FileVault」というPC本体の暗号化の仕組みがあります。Macintoshマシンを利用している方は、「FileVault」についてしっかりと理解しておくようにしましょう。

加えて、常に、データをバックアップしておくことも大切です。万が一の際でも、データさえバックアップできていれば安心です。ソフトウェア(パソコンにインストールしているソフトウェア、インターネットを通じて利用しているクラウドソフトウェアの両方)に格納されている「中身のデータ」をきちんとバックアップするようにしましょう。クラウドソフトウェアのデータは、通常、パソコンにダウンロード(エクスポート)できるようになっているものです。

定期的に、外付けのストレージに、守りたいデータをバックアップしておくことが大切です。ただしその場合でも、外付けのストレージに対するセキュリティをしっかり確保しておくことを忘れないようにしてください。

とはいえ、外付けのストレージにデータをバックアップする作業は、なかなか大変なものです。毎日バックアップを取るのは大変ですから、おのずと、タイムラグが生じてしまいます。昨今では、オンラインのストレージに自動的にデータをバックアップする仕組みも提供されていますから、活用を検討してみるとよいでしょう。ふたつの方法を上手に組み合わせて、更新頻度が高いデータ(ファイル)はクラウドで自動バックアップを取るようにし、それ以外のデータ(ファイル)は、タイミングを決めて定期的にローカルの外付けストレージに複製を取る、というのも一案です。

Windowsマシンであれば、「OneDrive」と呼ばれるオンラインストレージに自動的にファイルをアップロードしてバックアップを行う設定を行うことができます。

MicrosoftOneDrive

なお、OneDriveにファイルをバックアップする場合、本当にセキュリティレベルが高いデータについては、「パーソナルVault」と呼ばれる2段階認証が組み込まれたセキュリティレベルが高い領域に保存していくことをお勧めします。

Microsoft|サポートサイト|Personal Vault で OneDrive ファイルを保護する

Macintoshマシンであれば、「iCloud」と呼ばれるオンラインストレージに自動的にファイルをアップロードしてバックアップを行う設定ができます。「iCloud」でも、「2ファクタ認証」と呼ばれる2段階認証の仕組みを利用することができます。さらに、「iCloud+」と呼ばれるグレードが高いプランを契約することで、セキュリティレベルをさらに高めることができます。

AppleiCloud

 ■ もしもの時に備えよう

このように、セキュリティをしっかりと確保し、データのバックアップを含む保守作業もしっかりと行っていたとしても、万が一の事態が起きないとも限りません。そうした「もしも」に備えて共済(保険)への加入も検討しておくとよいでしょう。

例えば、フリーランスのための「Wor-Q共済」には、万が一、業務に起因して、ビジネスに関連したお客様の個人情報を漏洩させてしまい、損害賠償請求を受けてしまった場合の備えとして、「賠償補償制度」というオプションが用意されています。

保険料一律「年8,440円」で、情報漏洩の賠償事故については、1事故あたり支払限度額1,000万円まで、賠償債務の弁済のために支払う金額を保険金として受け取ることができます(精神的な苦痛に対しては、1被害者につき30万円が限度となっています)。(※「賠償補償制度」は、「情報漏洩の賠償事故」だけでなく、「業務遂行中の賠償事故(管理財物の賠償事故含む)」「仕事の結果の賠償事故」もカバーする、安心の制度になっています。ぜひ、詳細はパンフレットをご覧ください。)

Wor-Q共済メインページ

 おわりに: ~「ITではできないこと」にあなたが集中できるようにするためにーーーITツールを使いこなそう!~

以上、ITツールの活用方法、そして、ITツールを安心して使い続けるためのポイントを、徹底的に解説してきました。IT系フリーランスではない方(ITに関する専門知識に乏しいかた)でも、ITツールを活用いただくことのメリットが、伝わったでしょうか。

ITは、もちろん、万能ではありません。ITにできないことも数多くあります。人間が心をこめて、対面で、手と足を使うからこそ提供できるサービスもたくさんあります。人間だからこその創意工夫で作り出すことのできるクリエイティブもたくさんあるでしょう。AI(人工知能)がどれだけ進化したとしても、人間にしかできないことはたくさん残りますし、人間にしかできないことの価値は今後もますます高まっていくことでしょう。

だからこそ、あなたが、人間にしかできないことに集中できるように(貴重な時間をできるだけ割いていけるように)機械でもできる情報処理は、ITツールをフル活用でして、できる限り機械に任せていきませんか。ITと人間は、これからもきっと、幸せに共存していけるはずです!

ここまで読んで、ITツールの活用にチャレンジしようと思った方、ぜひともチャレンジしてみてください。そして、どうしても自分ではできないところまで辿り着いたら、どうぞ、ITを専門としたフリーランスの仲間とつながって、サポートを頼んでみてください!そのぶん、あなたも、あなたの専門分野で、ITを専門としたフリーランスの仲間をサポートしてあげられるとよいですね。専門分野の異なるフリーランス同士がスムーズにつながって、お互いを支え合っていくことができるようになれば、もっともっと働きやすい社会となっていくことでしょう。そのためにも、専門分野の壁を越えて、フリーランス同士、どんどんつながっていくことが大切です!これからも、Wor-Qを活用して、どんどんつながりを広げていってくださいね!

本特集に掲載しております情報は、正確を期すべく、しっかりと確認を行っておりますが、あくまでも参考としてご利用いただきますようお願いをいたします。

構成:旦悠輔(Wor-Q管理人 兼 Wor-Q Magazine編集長)

大学卒業後16年間に渡り大手コンサルティング会社・大手ポータル企業等でIT関係の仕事に従事したのち、フリーランスとして独立。Webサイト運営に関するコンサルティングから、システム設計・開発・運用、コーディング・デザイン、そして中身のコンテンツの企画制作(文章/イラストレーション&グラフィック/写真&映像)に至るまでオールマイティにこなすマルチフリーランサー。個人事業主としての屋号も、「肩書や職種の枠組にこだわらず、課題解決やイノベーションのために必要なことはなんでもやる」という決意をこめて「旦悠輔事務所」としている。当事者(フリーランス)のひとりとして、「フリーランスという働きかた」に関するさまざまな課題を解決に向かわせていきたいという思いをもって、Wor-Qの運営に携わっている。

公開中特集一覧

•特集第13号フリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【前編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~」(2022年10月31日公開)
•特集第12号フリーランスのための【メンタルヘルスチェック&メンタルケア徹底ガイド】~不安と孤独感に負けないで~」(2022年8月29日公開)
•特集第11号ハラスメントに絶対負けないフリーランスになる ――すべての働くひとが対等に尊重される社会を目指して――」(2022年4月29日公開)
•特集第10号フリーランスなりたての方のための経理&確定申告総合ガイドー決定版!個人事業経営マニュアルー」(2022年3月4日公開)
•特集第9号50年後も生き残る!フリーランスのためのスキルアップ&キャリアアップ戦略ガイド」(2021年11月9日公開)
•特集第8号決定版!フリーランスのための【契約書の結びかた】徹底ガイド」(2021年10月11日公開)
•特集第7号フリーランスが労災に備えるには -共済・保険について考える-」(2021年9月9日公開)
•特集第6号フリーランスの出産・育児、そして介護を考える」(2021年6月30日公開)
•特集第5号フリーランスの【報酬】を考える~働いたら「報われる」社会を目指して~」(2021年5月31日公開)
•特集第4号フリーランス1年目をどう生きるか」(2021年4月30日公開)
•特集第3号徹底解説!「損害賠償」をしっかり理解して<強いフリーランス>を目指そう」(2021年3月31日公開)
•特集第2号フリーランスとして生き延びていくための「消費税/インボイス制度」徹底解説」(2021年2月28日公開)
•特集第1号コロナ禍で苦しむフリーランスの方々のための「2021年/令和2年分確定申告」お役立ち情報」(2020年12月28日公開)


    新・特集シリーズ第3号<最終回>  未来を切り拓く! ~森川ジョージ先生に聞く「フリーランスに必要な対話力」とは~
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    2024年12月4日


    新・特集シリーズ第2号<後編>  「声優の働きかた、その<あるべき未来>を描きだそう」 「文化を守りたい」ーーーフリーランスとして働く声優が声をあげ続ける理由
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    新・特集シリーズ第2号<前編>  「声優の働きかた、その<あるべき未来>を描きだそう」突き詰めると、この国の<余裕のなさ>に行き着く ーーーなぜ声優の収入レベルは上がらないのか
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    2024年8月19日


    新・特集シリーズ第1号<後編> 「働くひとにとっても、生活者・地域にとっても、事業者にとっても喜ばしい」、<三方よし>の<フリーランスの軽貨物自動車運送事業者の働きかた>とは
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    2024年6月6日


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    2024年5月20日


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    2024年3月26日


    特集第17号「フリーランスの地方移住について考える」
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    2023年10月4日


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    2023年7月4日


    特集第15号「フリーランスのための【インボイス制度】対応検討マニュアル」(2023年4月17日)

    2023年4月16日


    特集第14号「フリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【後編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~」(2022年12月2日公開)
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    2022年12月1日


    特集第13号「フリーランスのためのITツール徹底活用ガイド【前編】~IT系フリーランスじゃないあなたも必見~」
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    2022年10月30日


    特集第12号「フリーランスのための【メンタルヘルスチェック&メンタルケア徹底ガイド】~不安と孤独感に負けないで~」

    2022年8月28日


    特集第11号「ハラスメントに絶対負けないフリーランスになる ――すべての働くひとが対等に尊重される社会を目指して――」

    2022年4月28日


    特集第10号「フリーランスなりたての方のための経理&確定申告総合ガイドー決定版!個人事業経営マニュアルー」

    2022年3月3日


    特集第9号「50年後も生き残る!フリーランスのためのスキルアップ&キャリアアップ戦略ガイド」

    2021年11月8日


    特集第8号「決定版!フリーランスのための【契約書の結びかた】徹底ガイド」

    2021年10月10日


    特集第7号「フリーランスが労災に備えるには -共済・保険について考える-」

    2021年9月8日


    特集第6号「フリーランスの出産・育児、そして介護を考える」

    2021年6月29日


    特集第5号「フリーランスの【報酬】を考える~働いたら「報われる」社会を目指して~」

    2021年5月30日


    特集第4号「フリーランス1年目をどう生きるか」

    2021年4月29日


    特集第3号「徹底解説!「損害賠償」をしっかり理解して<強いフリーランス>を目指そう」

    2021年3月30日


    特集第2号「フリーランスとして生き延びていくための「消費税/インボイス制度」徹底解説」

    2021年2月27日


    特集第1号「コロナ禍で苦しむフリーランスの方々のための「2021年/令和2年分確定申告」お役立ち情報」

    2020年12月27日