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用語集

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所得税の課税・非課税の考え方

解説

事業主向けの給付金や助成金について、所得税法上の「課税」「非課税」の考え方を簡単に解説する。

【原則は所得のすべてが課税】
所得税法では原則、所得のすべてを課税対象としている。「何らかの理由でお金を得ているなら税金を支払う能力があるはず」と考えられるからである。所得の定義はというと、所得に関する用語の定義が書いてあるだけで、法の条文では明確に規定されていない。「非課税という規定が設けられていない場合に限り、納税力を増加させる経済的な利益は課税所得になる」との法解釈もある。この考え方を新型コロナで支給される給付金などに当てはめると、特別給付金のみが非課税、それ以外は課税対象になるということになる。
所得税法施行令94条では、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を行なう居住者が受ける次に掲げるもので、その業務の遂行により生ずべきこれらの所得に係る収入金額に代わる性質を有するものは、これらの所得に係る収入金額とする。と謳い、2項で「当該業務の全部又は一部の休止、転換又は廃止その他の事由により当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するもの」としている。これらのことから、事業主向けの国からの給付金や助成金は課税対象だと判断できる。

【非課税所得には「最低限の生活の保障」という考え方がある】
特別定額給付金が非課税とされた背景には、所得税法第9条で非課税所得とされているもののうち社会的・政策的配慮によるものと、他の規定で非課税とされているものに共通するものは「最低限の生活の保障」という考え方。憲法25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳われている。
生活資産の売却益や生活保護費、遺族年金や児童扶養手当に課税をされてしまうと、特に低所得者や障がい者、子どもを一人で育てているひとり親世帯にとっては切実な問題である。こうした配慮から非課税の規定が設けられている。生活支援という位置づけである今回の特別定額給付金(一律10万円)もこの考え方によって非課税になっている。

【最後に】
事業主向けの国の新型コロナに関する補償の制度内容を見ると、支給対象が事業主限定であることから、目的は事業運営に必要な経費の補填であり、生活費の補填を前提としていないと考えられる。国からの補償を非課税とした場合、支払った家賃などを必要経費としてしまうと二重の控除となってしまい、補償を得ていない他の事業主との間で課税の不公平が生じてしまう。
これらのことから、事業主向けの国からの給付金や助成金は課税所得として扱う必要があるということになる。

用語の分類:
用語番号:dict79
用語集ページ公開日: 2020年10月12日