プラットフォームエコノミー

「プラットフォーム」っていうのは、駅のホームをイメージしたらいいけれど、みんなが利用できるインフラのことをいうんだよね。大きな駅には、たくさんのホームがあって、便利な電車がたくさん行き来するよね。そうして、自分が乗りたい電車を選んで自由に乗ることができる。それと一緒なんだ。プラットフォームという場所があって、プラットフォームが提供する機能を活用して、プラットフォームに集う人たちが自由にやりとりをしながら、取引・ビジネスが成立・実行されていく。そういう、プラットフォームを中心にビジネスが回っていく経済のありかたのことを「プラットフォームエコノミー」っていうんだよね。

そうだね。いまとなってはあたりまえのような気もしてしまうよね。でもね、インターネットが登場する前ーー20年前30年前ーーは、日本中、いや、世界中の誰もが自由に気軽に参加できる場所、っていうのは、世の中にほとんど存在しなかったんだよね。インターネットが登場したことで、離れた人同士がつながりあえる仕組みを簡単に作れるようになって、続々と、「人が集まり、人がつながる、プラットフォーム」が生まれてきた、というわけなんだ。

たしかに、自由度は広がったし、効率的になったともいえるよね。誰しもがビジネスの機会を公平に得られる時代になったと言えるかもしれない。そういう意味では、時代は、まさにプラットフォームエコノミーだね。でもね、プラットフォームエコノミーには、負の側面もあると言われているんだよ。

そう。プラットフォームは、便利だから、いちばん便利なプラットフォームに人が殺到するよね。人が集まれば集まるほど、プラットフォームはますます便利になるからね。人が人を呼ぶ、というわけさ。そうして、プラットフォームには、多くの富が集中することになっていくわけだね。たくさんのお金も集まるわけだ。そうして、プラットフォームがどんどん力を持っていく中で、いつしか、プラットフォームは大きな権力を持っていくことになるわけだね。なぜなら、皆がそのプラットフォームを使わないと生きていけないような状況になってしまえば、そのプラットフォームが決めたルールに、皆、従わざるを得ないわけだからね。

そうだよね。年々、プラットフォームに対する依存は強まってきていると言えるだろうね。だから、プラットフォーマーが極端に強い力を持って、意図的に一部の人のプラットフォーム利用を排除しようとしたり、プラットフォーム利用者からお金を搾取しようとしたり、プラットフォーム運営者としての責任を放棄してプラットフォーム利用における責任を一方的にプラットフォーム利用者に押し付けてきたり、というようなことが横行しないように、みんなでしっかり注意していく必要があるよね。

その通りだね。プラットフォームはあくまでもプラットフォームだ、ということを忘れてはいけないね。主役は、やっぱり、プラットフォームの上で実際に仕事をする人達ひとりひとりなんだよね。プラットフォームを使う人がいなければプラットフォームは成り立たないし、プラットフォームを使う人がプラットフォームを実際に利用してはじめて具体的な価値が生まれるわけだからね。プラットフォームはあくまでも「場」だから、「場」があるだけでは、価値は生まれないわけだからね。

そうだよ。もしも、プラットフォームと呼ばれるような、仕事をするうえで必要不可欠なインフラになっているようなインターネットのサービスを利用していて、プラットフォーム事業者から「そんなことをされたら困る」ということをされたら、専門家に相談したり、フリーランス同士横でつながって相談しあうことが大切だよ。圧倒的な力の差があるわけだから、ひとりで悩んだり解決しようとしても、困難なことも多いからね。みんなで協力して、大きな力を生み出すことで、解決を目指していかないとね！